「ありふれた愛じゃない」 村山由佳

2014年3月30日　第1刷発行
発行所　文藝春秋

著者　1964年生まれ。　2003年「星々の舟」で直木賞受賞。

　藤沢真奈32歳は銀座並木通りに店を構えて60年余「Jewelry TAKAHASHI」に勤務している。 真奈には6歳年下の恋人がいる。
　黒真珠の産地タヒチのボラボラ島に買いつけの仕事に行った時、偶然にも10年前に別れた恋人竜介と再会する。

　竜介を心の底から愛してはいたが、竜介が次々と仕事を変えてしまい、しまいには日本にはオレのする仕事はない。一緒に海外に行こうと言いだす。こんな竜介の性格についていけないと感じた真奈は別れを告げたのだった。今付き合っている大野貴史26歳はそれに比べて正反対の性格で、先日貴史の親に結婚相手として紹介されたばかりである。

　真奈の心は竜介を避けながらもどんどん惹かれていく。優等生の男よりも危なさの残る男の方に惹かれていく揺れ続ける女心を描いた物語である。

　結末は優等生、それとも・・・続きは読んでください。