昭和の犬」 姫野カオルコ
主人公の柏木イク(昭和33年生まれ)は滋賀県に生まれる。(著者と一緒だ)しばらく父と母とイクはそれぞれ別に暮らしていたのだが5歳になって山の中の工事現場事務所で同居すすことになる。6歳になって父が田んぼの中に新築した煉瓦の煙突付き鉄筋コンクリートの家に引っ越す。イクには父は突然怒鳴ったり怒ったりする恐くて嫌いな人だった。母もイクに皮肉を言ったりして嫌いな人であった。父母も仲はよくなかった。そんな家庭に育ったイクは思ったことを口から声に出せなくなってしまっていた。
イクは両親から離れて暮らすことを夢見ていた。高校を卒業する時、大学進学に併せて上手く東京へ出ていくことができた。大学を卒業し滋賀県の教員採用試験に通ったのだが務めたのは東京の清掃会社。イクが27歳になると滋賀の縁戚者や父母たちが順に体調を崩して、イクは毎週のように週末には滋賀に帰ることになってしまう。
イクは両親から離れて暮らすことを夢見ていた。高校を卒業する時、大学進学に併せて上手く東京へ出ていくことができた。大学を卒業し滋賀県の教員採用試験に通ったのだが務めたのは東京の清掃会社。イクが27歳になると滋賀の縁戚者や父母たちが順に体調を崩して、イクは毎週のように週末には滋賀に帰ることになってしまう。
物語はイクの年齢で各章ごとに出会った犬を描いている。そこには犬から透けて見えてくる飼い主の事情がある。
イク5歳、6歳、8歳、17歳、19歳、23歳、49歳。
イク5歳、6歳、8歳、17歳、19歳、23歳、49歳。
全編滋賀弁で描かれている。著者は読者が微妙な表現の意味を知ってもらおうと意味を標準語でかっこ書きしているので微妙なニュアンスも理解しやすいと思います。
私はかっこ書き無くても我々の地区と共通語も多かったので(ただし、イントネーションは微妙に違う)違和感なく読めました。
私はかっこ書き無くても我々の地区と共通語も多かったので(ただし、イントネーションは微妙に違う)違和感なく読めました。