連載小説「銀翼のイカロス(第30回)」 池井戸潤
週刊ダイヤモンド 2013年12月14日号
第5章 策士たちの誤算
(前号まで)
国交大臣の白井の私設機関であるタスフォースが要求してきた、帝国航空への債権放棄。金融庁の意見書でも航空行政への配慮がうたわれていた。だが半沢は債権放棄要求を拒絶する稟議書を提出、緊急役員会で半沢の説明が始められた。
国交大臣の白井の私設機関であるタスフォースが要求してきた、帝国航空への債権放棄。金融庁の意見書でも航空行政への配慮がうたわれていた。だが半沢は債権放棄要求を拒絶する稟議書を提出、緊急役員会で半沢の説明が始められた。
緊急役員会で不利な状況になった紀田常務は捨て身の発言をした。半沢の稟議どおりに債権放棄を拒否することになるなら常務取締役を辞するという。そこまで言うなら、紀田常務の責任を持って稟議を否認すると中野渡頭取に言わせしめた。
しかしながら半沢の意見も取り上げられ、否認には競合他行も同様に債権放棄をするという条件が付けられた。
しかしながら半沢の意見も取り上げられ、否認には競合他行も同様に債権放棄をするという条件が付けられた。