「天使の柩」 村山由佳
著者 1964年東京都生まれ。
初出 「小説すばる」2013年1月号~7月号
望まれない子どもとして育ち、自分を愛せずにいる茉莉(14歳)。フィリピン人の母とのハーフ。祖母は売女の子だからといって死ぬまでやさしくはなかった。父は母に似ているとして、一言も口も利かないし、茉莉を部屋に閉じ込めてしまう。だから、茉莉は自分の顔が大嫌いだ。
歩太(29歳)の父は心の病で自殺した。主治医は恋人の春妃。恋人の父を死なせたことでまた春妃も亡くなった。心に癒えない傷を抱え続けた歩太。
公園で餓鬼大将たちに虐められていた子猫を助けようとして茉莉、歩太は出会った。二人の出会いは互いの心を癒し、信頼感が芽生えてくる。
この物語は「天使」シリーズ第4冊目である。