「天使の柩」  村山由佳

2013年11月10日 第1刷発行
発行所 株式会社集英社

著者 1964年東京都生まれ。

初出 「小説すばる」2013年1月号~7月号

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 望まれない子どもとして育ち、自分を愛せずにいる茉莉(14歳)。フィリピン人の母とのハーフ。祖母は売女の子だからといって死ぬまでやさしくはなかった。父は母に似ているとして、一言も口も利かないし、茉莉を部屋に閉じ込めてしまう。だから、茉莉は自分の顔が大嫌いだ。

 歩太(29歳)の父は心の病で自殺した。主治医は恋人の春妃。恋人の父を死なせたことでまた春妃も亡くなった。心に癒えない傷を抱え続けた歩太。

 公園で餓鬼大将たちに虐められていた子猫を助けようとして茉莉、歩太は出会った。二人の出会いは互いの心を癒し、信頼感が芽生えてくる。


この物語は「天使」シリーズ第4冊目である。

天使の卵」19歳の予備校生・歩太は8歳年上の精神科医・春妃に出会う。
天使の梯子」高校時代に思いを寄せた8歳年上の先生、斎藤夏姫に思いを寄せる古幡慎一
「へヴンリー・ブルー」精神科医として働く、美しくて優しい姉が恋に落ちた相手は、私夏姫のボーイフレンドの歩太くん。