「ミストレス」  篠田節子

2013年8月20日初版第1刷発行
発行所 (株)光文社
著者 東京都生まれ。97年「女たちのジハード」で第117回直木賞を受賞。

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 本書は5編の短編集。
収録題と初出
「ミストレス」小説宝石09年4月号
「やまね」小説宝石10年4月号
ライフガード」旅を数えて07年8月号
「宮木」小説宝石13年4月号
「紅い蕎麦の実」小説宝石12年4月号



ミストレスはこの小説ではコンサートマスターに対してその役割を担っている女性の第1バイオリン二ストを指している。

 麻酔医の貴之は、妻に父の所有する軽井沢にあるコンサートホールで行われたクラシックコンサート中不思議な夢を見た。おごそかな悲しみをたたえながら演奏をする女性の姿。夢に出てきたこの女性の姿が頭の中に残り、女性の手掛かりを求め探し求める。


 翔は恋人の真弓と同級生だった派遣の結衣に惹かれていく。冬が近ずくとだんだんに動きが鈍くなって行く女「やまね」のように冬眠する女結衣。結衣の冬眠を覚まそうとした途端突然結衣は痙攣をおこした。


 夏帆は新婚旅行で訪れたタイのホテルに接するビーチで昔行方不明になっていた恋人の姿を見つける。
 バイクツーリングでであった彼とは、旅先で三ヶ月後に合おうと誓ったきりで音信不通になったままであった。後日、風の便りで彼は喧嘩の仲裁が原因の事故で亡くなったの聞いていたはずなのに…
 夏帆は、彼?、タイ語しか話せないホテルのライフガードカワサキバイクの後部座席に乗せられて連れられて行くのだが