「快挙」 白石一文

2013年4月25日 発行
新潮社
著者 1958年福岡県生まれ
09年「この胸に深々と突き刺さる矢を抜け」で山本周五郎賞を受賞。
10年「ほかならぬ人へ」で直木賞を受賞。他に「火口のふたり」など著書多数。

初出 「yom yom」26号・27号




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 主人公の作家が書いた小説のタイトルは第1作目も2作目も「快挙」。
 2作は似ても似つかぬ内容であったが「人生の快挙とは何か?」を探ったという点で一脈通じるものがあった。我々の人生にとって快挙とは一体いかなるものかというテーマに、この小説を通して追っかけている。そして主人公は第三作目に取り掛かってようやく完成に近ずくのだが突然に筆をおろしてしまう。そこに新たな「快挙」が見えてきた。