「狛犬ジョンの軌跡」 垣根涼介

2012年12月20日 初版第1刷発行
光文社

著者 1966年長崎県生まれ
 2000年「午前三時のルースター」でサントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞してデビュー。
 04年「ワイルド・ソウル」で大藪春彦賞吉川英治文学賞日本推理作家協会賞の三冠を受賞。05年「君たちに明日はない」で大和周五郎賞を受賞。

初出 「小説宝石」2012年5月号~同年10月号。


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 建築設計士の太刀川要は深夜ドライブに出かけた銚子の町はずれで大きな犬と衝突した。太刀川は犬を助けるために病院を探しまわるが銚子周辺にはなくて自宅近くの動物病院に運び込んだ。同じころ、銚子では三人の若者が犬らしき大きな動物に襲われて死傷した事件が発生していた。現場に残されていた動物の血液などから、地元警察では犬ではないと検証されていた。
 太刀川は銚子の事件を後日新聞で知ることになり、状況から助けて自宅に保護している犬(ジョン)ではないかという疑いを抱いた。太刀川は生き残った被害者を偽名を使って調べることにした。調べれば調べるほど確信を深めていく。

 銚子の町はずれの神社では不思議な事件が発生していた。武門の神に仕える左右の守りとして一対の存在である獅子が何者かによって壊されていた。そして対である狛犬がなくなっていたのである。狛犬はそうとうな大きさでクレーンでもなければ運び出すことができないにもかかわらず、そんな形跡もなく忽然と狛犬は消えていたのである。

ジョンおまえは何者なのだ。

 
 この小説は非常に面白い。多くの賞を総なめにしている垣根氏、この小説で○○賞を取って欲しいと思う。