「64」 横山秀夫

2012年10月25日 第1刷発行
文藝春秋

著者 1957年東京生まれ
著書に「半落ち」「臨場」など

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「64」、変なタイトルである。読む前は何を指しているのか見当もつかなかった。
ネタばらしをすると昭和64年の64なのだ。昭和64年のまさに終わろうとしたときに起った少女誘拐事件、未解決になっている事件を警察内部事情と記社クラブとをからませながら展開させている。

 昭和天皇崩御されたのは昭和64年1月7日(土)午前6時33分。
私は、あの時は特段の仕事があって、年始年末は12月31日の午後と1月1日を休んだだけで土日祝日も出勤し仕事をしていた。当日昭和天皇崩御の知らせを受け、更にあわただしい1日を過ごしたことが、24年経った今でもはっきりと思い出すことができる。


 そんな印象に残る昭和64年をタイトルにした、警察小説。D県警察本部の刑事部と警務部
、本庁(検察庁)との権力闘争を展開しながら、昭和64年に起った未解決誘拐事件の犯人に近づいていく。647ページにも及ぶ超長編小説であるが面白いように読み進んで横山秀夫警察小説に引き込まれていってしまった。