100回泣くこと 中村 航

イメージ 1

今回は同郷の作家
中村 航(なかむら こう)さんの小説です。
氏は1969年生まれで、2002年「リレキショ」で
文芸賞」を受賞しデビュー。

今回は小学館文庫を読みました。
巻末に作家島本理生(しまもと りお)さんの解説があります。

解説の冒頭
もし本来の寿命は変わらずに、愛する人よりも先に死ぬか、それとも後に死ぬか、を自分で選べるとしたら、果たしてどちらを望むであろうか。「100回泣くこと」を読み終えたとき、そんな問いかけが浮かび上がってきた。誰かと共に生きることは、いつか失う悲しみを背負うことであり、同時に、いつか失わせてしまう悲しみを背負うことだと。


実家で飼っていた愛犬・ブックが死にそうだ、という連絡を受けた僕は、彼女から「バイクで帰ってあげなよ」といわれる。ブックは、僕の2ストロークのバイクが吐き出すエンジン音が何より大好きだった。
4年近く乗ってなかったバイク。彼女と一緒にキャブレターを分解し、そこで、僕は彼女に「結婚しよう」と告げる。
彼女は、1年間結婚の練習をしよう、といってくれた。愛犬も一命を取り留めた。
ブックの回復→バイク修理→プロポーズ。幸せの連続線はどこまでも続くんだ。と思っていた。ずっとずっと続くんだとおもっていた

小説の舞台に主人公藤井の実家に
赤坂、それに揖斐川が出てきます。背景が読んでいて浮かんできます。

恋人の実家に行ったとき、恋人の父親が
藤井君は岐阜の人だから、丸餅を食べるんだねと・・・・
そういうのは関が原で分かれるのよと、母親が答えた。

これに似た会話がY新聞のCMに流れています。
丸餅は関が原の今須峠ではっきりと、ただ揖斐川以西は丸と四角が家によって混在していると思います。
国語学者金田一先生は東西言葉の境は揖斐川だと言っておられます。
以前テレビで調査した番組でエスカレーターの通行(右・左)の東西の境は関が原の1つ東の
垂井駅でした。