がらくた 江國香織

タイ プーケットのプライベートビーチから
物語が始まる。

美しい少女ミミ(美海 みうみ)15歳と美しい45歳の柊子(しゅうこ)
2人の女性を主人公にした恋愛小説。

東京に戻った主人公が展開する意表をついた関係。

原柊子は母津田桐子とタイのリゾート地のプーケットのホテルに滞在していた。
そこには異国的な顔立ちをして、手足が長い美しい日本の少女がいた。
少女はミミと呼ばれていた。ミミは父親(建築家 根岸秀彦)といっしょに
ホテルに泊まっていた。
ミミの両親はニューヨークにすんでいたミミが9歳のときに離婚したのだ。年に
1度は親子で旅行することになっていた。


柊子の夫原武男はテレビ局で制作をしている。柊子は夫が大好きである。
夫は職場の部署で秘ぞっ子の藤田さん以外にも愛人がいる、柊子には愛人はいないが
夫以外の男性と寝る事はある。
ミミの父親の女好きはそうとう情熱的である。母の涼子は父と別れてからは何度も恋愛をしている。
恋愛をしている母は機嫌が良い。

桐子と美海の父根岸はプーケットでほんのちょっとだけ関係をもった。

美海は東京に戻って、プーケットでとった写真を届にマンションオーナーでマンションを自宅にしている桐子さんの家を訪問した。桐子さんの隣には娘の柊子が仕事場(翻訳)としていた。
柊子は大好きな夫にタイで会った美海のことを話していた。
桐子さんの誕生日に美海は招待され、そこには柊子の夫武男も来ていた。

美海は武男に惹かれていく。そして美海は「不行き届きな真似をしてほしいの」と言う。

ところで本の題名が「がらくた」であるが
なぜそんな題名にしたのか?である。

美海の母涼子の友人さやかさんは死別の寡婦である。
さやかさんは、母が帰国の挨拶に行った時死んだご主人のシャツを着ていたという。
美海が母と訪ねたときあちこちに写真が飾ってあり、ご主人の手作りという家具などが置いてあった。
母が「思い出の品ですものね」というと
さやかさんは「がらくたばっかりよ」と寂しげに微笑んで、でも、なんか誇らしげに言った。
母は「私もさやかさんみたいに一人の男だけのものでいられたら良かったんだけど」
さやかは「ばかなことを言わないで」
「根岸さんは生きているからいいのよ。生きている相手に対して、感情を不変のまま保存することはできないのよ」
こんなやり取りが書かれている。