「ファーストラブ」 島本理生

2018年5月30日 第1刷発行
発行所 文藝春秋
著者1983年東京都生まれ
 本書は第159回直木賞受賞作


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 島本理生さんの小説でこの題名だと甘美なラブロマンス小説かと読む前は思っていた。然し、読むとこれは社会派小説であった。女子大生が父親を殺した事件を臨床心理士が執筆のため、国選弁護士とともに隠された真実を突き止める。そこには女子に対する長年にわたっての生虐待の事実が・・。「ファーストラブ」とは生虐待されていた少女が、男の本能的目的を隠して優しく寄ってきた男を本当の愛と思い込もうとした少女の逃避行動ではなかったのか。
 女子大生は裁判によって臨床心理士と弁護士に心が開かれることになる。