「ピエロがいる街」横関大
静岡県兜市は静岡県東部で人口約15万人。市の中心企業であったスタンダード製薬が撤退して、市は財政危機に陥っている。2年前に就任した宍戸市長は、開かれた市政を唱えて毎日たくさんの市民が市長を訪れる。市民の幸せのために奮闘する市長。
兜市には夜になるとピエロが出現し市民の悩みを解決している。ある日、市長には市長の後援会長殺害の疑惑が、そして公費を使ってバリ島への遊興疑惑が湧いてきた。
そんな疑惑の最中に兜市に大雨による災害が発生しキャンプ場に中学生たちが閉じ込められてしまう。警察や消防が救出を躊躇している中で、ピエロは子 供たちの救出に成功する。殺害疑惑、公費私用の疑いも晴らしていく。
物語を読みだして間もなく、ピエロは宍戸市長の一人二役であると確信して読み進むと最終節で思わぬ展開になった。
著者は市役所や議会のことに詳しいので役所それも総務ばたに勤務経験があるのかもしれない。