「上流階級<冨久丸百貨店外商部>」 高殿円

2013年11月20日 初版1刷発行
発行所 (株)光文社

著者 1976年兵庫県生まれ。
初出 「小説宝石」2012年12月号~2013年7月号

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 関西地方にある地方百貨店の外商部に初めて女性の外商部員が登用された。この百貨店では売り上げの三割を十数名の外商部員が売り上げているエリート部門である。外商部員が取り扱う顧客を通して、今や斜陽産業の百貨店を物語の舞台として登場させている。
 物語の後半に百貨店の屋上遊園地が登場してくるのだが、今や忘れ去られた屋上遊園地が自分の脳裏によみがえってきた。百貨店の屋上はビヤホール、遊園地、そこには汽車や回転木馬などがあったはずだ。今百貨店の屋上に行けるのであろうか。ここ20年以内に建て替えた店では、遊園地は造っていないと思うが古い建物の屋上は今でも遊具が残っているのでしょうか。見たい気がします。

 物語は全編の三分の一ほど読み進んだ段階では、面白くありませんでしたがそこから読み進んで行ったら結構楽しむことができました。