連載小説「銀翼のイカロス(第37回)」  池井戸潤

週刊ダイヤモンド2014年2月8日号
第6章 イカロスの末裔

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(前号)
 記者会見の翌夜、検査部の富岡が半沢を馴染みの居酒屋に呼び出した。富岡が示したのは、民政党の箕田から、帝国航空の子会社と取引のあった舞橋ステートへ送金された記録だった。箕田と舞橋ステートの関係を探るよう、富岡は半沢にアドバイスした。



(今週号)
 半沢は東京中央銀行舞橋支店を訪れ支店長深田を訪ねて行った。舞橋ステートを調べるためだ。舞橋ステートは箕田代議士のファミリー企業ということが判明した。20億円の不正融資の資金の流れも見えてきた。箕田と舞橋ステートは空港建設予定地に絡み莫大の利益を得ていたのだ。倒産寸前の舞橋ステートもこれとともに生き残ることができた。

 一方乃村は中野渡頭取に食事の約束を取り付け銀座のイタリアンであっていた。なかなか本題を話そうとしなかった乃村だったが、頭取に請求されていよいよ話し始めた・・

(次号に続く)