「ペテロの葬列」宮部みゆき

2013年12月25日 第1刷発行
発行所 (株)集英社

著者 1960年東京都生まれ。99年「理由」で直木賞受賞。
初出 10年9月12日~14年10月3日
東愛知新聞、岐阜新聞(夕)など22紙に順次掲載されたものに加筆修正した。
685ページにも及ぶ長編小説。

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 巨大コンツェルンのお嬢様と結婚してしまった杉村三郎は、結婚してコンツェルンのグループ内報の編集部に勤めていた。OBのインタビュー記事の為訪れていた宅から辞去し、乗った乗合バスがジャックされてしまう。バスジャック犯は事件の最中ジャックで迷惑かけたとして人質として乗り合わせた乗客全員に賠償金を支払うと言った。
 ジャック犯は、拳銃自殺してしまい事件の本質がうやむやになろうとしていたところ、事件後一カ月たった頃、乗客全員に小包で現金が送られてきた。乗客たちは警察に届けるのかこのまま受け取るのか意見が分かれる。現金はどこから送られてきたのか、犯人の人となりはどうだったのか調査したあとで結論を出そうということになる。
 ネズミ講がらみが事件の裏側に浮かんでくる。乗客たちにもいろいろな事情が重なり賠償金はそれぞれの思いに重くのしかかってくる。