連載小説「銀翼のイカロス(第36回)」  池井戸潤

週刊ダイヤモンド 2014年2月1日号 
第5章 策士たちの誤算

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 (前号)
 帝国航空への債権放棄を開投銀が見送ったことにより再建計画が白紙に戻った後、記者会見はタスクフォースの乃村と白井国交大臣による銀行批判で幕を開けた。だが、記者団から質問攻めに遭い、タスクフォースへの懐疑心をあおる不測の結末を迎えた。


 (今週号)
 残業している半沢のところに、検査部の富岡から電話で新ネタがあるので出てこいと呼び出された。富岡は1枚のコピーを半沢に見せた。それは20億円の送金振込依頼書であった。依頼人欄には「箕田啓治」、東新宿の合同書庫で見つけたという。送金先は「舞橋ステート・・・」。
 先日、金融庁の検討会で帝国航空の関連会社について検討中、黒崎が問題先として指摘した関連会社だ。
(次号につづく)