「致死量未満の殺人」 三沢陽一

2013年10月20日 印刷
2013年10月25日 発行
発行所 早川書房

著者 1980年長野県岡谷市生まれ。
この作品は、第3回アガサ・クリスティー賞受賞作。受賞作は「コンダクターを撃て」を加筆訂正のうえ改題し出版。

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 雪で閉ざされた山荘で殺人事件が起こる。殺害方法は、毒殺。毒はメチル水銀。しかし、15年の時効が数時間と迫る。僕が殺害したと殺害方法を告白するが、あっと驚く真相が実は隠されていた。実ははんにんは、・・・と判明したところで、さらにどんでん返しの真実が明らかになる。
 読者が、最後の1行まで引き込まれる、すごい作品である。出版社が某社であれば、直木賞の有力候補の1作品になるのではないかと感じた。あまり話題になっていない作品ですが、ミステリー好きは是非読んでみては。

 登場するのは同じ大学の法学部の学生で同じゼミの5人。美しいが嫌われ、恨まれている女子大生・弥生と弥生にひどい目にあわされ、殺害の動機が揃っている4人がゼミ担当教授の別荘にスキーにやってきた。猛吹雪で外部から侵入できない状況の中で、弥生は毒殺される。しかし、毒を投与した状況は見当たらなかった。翌日から警察の捜査も行われたが、結局迷宮入りしてしまう。そして、15年の時効寸前の時間になり、仲間の一人が仲間に事件の告白をするのだが・・・ 後は是非読んで下さい。