銀翼のイカロス(第32回) 池井戸潤

週刊 ダイヤモンド連載小説
2013,2014 12月28日、1月4日合併号

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第5章 策士たちの誤算

(前号まで)
 小学校の同級生だったタスフォースの乃村が9月下旬に紀田を呼び出したのは帝国航空への債権放棄を呑ませるためだった。乃村は旧東京第一銀行時代の箕田への問題融資を調べ上げており、債権放棄を呑まなければマスコミにばらすと脅かしてきた。


(今週号)
 ついにタスフォースが指定した「合同報告会」の日が来た。開発投資銀行はまだ会場に来ていないが報告は始められた。まず、報告会の出席を辞退した関東信託銀子、京品銀行は債権放棄に賛同したと公表された。つづいて債権額が少ない順に報告することになり大東京銀行は債権放棄に同意した。次の都銀の白水銀行の報告は主力、準主力銀行の対応に準じると発言した。次に指名された東京首都銀行、第一信託銀行も白水銀行と見解は同じであった。乃村はこの報告に苛立ち東京中央銀行の報告を指名してきた。
 半沢はおもむろに立ち上がり、「それでは、東京中央銀行の見解をここに述べさせていただきます」
(次号につづく)






采配(第2幕 最終回)勝負を見極める眼力   落合博満


(要旨)
① 「やるべきことを必死にやったのか」と自問自答し、悔しい経験をいかに財産にするかを考える習慣をつけるべきだ。

② 様々な経験から次のステップを考えられるのが人間の強みだ。自分が過ごしてきた全ての時間は無駄でないと捉えれば、それまで見えなかったものが見えるようになったり、できなかったことができるようになる。だからこそ一生懸命に生きる。生きていればこそ、何かが始まる。

この連載は急遽この号で最終回になりました。新春からGMに専念するという理由です。