連載小説 銀翼のイカロス(第31回) 池井戸潤
週刊ダイヤモンド 2013年12月21日号
第5章 策士たちの誤算
(今週号)
紀田と乃村は小学校時代の同級生。紀田は勉強では乃村にかなわなかったが運動もできた紀田はクラスの人気者でクラス委員もやっていた。乃村の家は破産して、そのことをネタにして紀田は乃村を虐めていたことがあった。乃村はそのことを恨みに思っていた。
乃村は弁護士で企業再建屋としてマスコミなどで名の知れた存在になっていた。
民政党に政権が移った10年前、国交大臣に任命直前私設機関タスフォースのメンバーになったばかりの乃村と紀田は会ったのだ。そのとき紀田は箕田などとの不適切な融資などをネタに500億の債権放棄を迫られたのだ。
(次号に続く)
紀田と乃村は小学校時代の同級生。紀田は勉強では乃村にかなわなかったが運動もできた紀田はクラスの人気者でクラス委員もやっていた。乃村の家は破産して、そのことをネタにして紀田は乃村を虐めていたことがあった。乃村はそのことを恨みに思っていた。
乃村は弁護士で企業再建屋としてマスコミなどで名の知れた存在になっていた。
民政党に政権が移った10年前、国交大臣に任命直前私設機関タスフォースのメンバーになったばかりの乃村と紀田は会ったのだ。そのとき紀田は箕田などとの不適切な融資などをネタに500億の債権放棄を迫られたのだ。
(次号に続く)
組織における責任について
組織における責任とは、事が起きた時に誰かが「取る」ものではなく、組織を作った時から全員が「持つ」ものだと考えている。組織において役職、立場ごとの責任が明確になっていれば組織の目標に向けて何をすればいいのか全員で知恵を出して考えていけばいい。権限はどこまでなのか、あえて線引きしておく必要はない。各自が与えられた役割を優先順に従って全うしようと努力していれば、誰かが独断専行してチームを壊してしまうこともないはずだ。