連載小説「銀翼のイカロス(第29回)」  池井戸潤

週刊ダイヤモンド 2013年12月7日号
第5章 策士たちの誤算

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(前号まで)
 国交大臣 白井の私設機関であるタスフォースは中間報告もなしに最終答申案を出しそうだ。だが、それには銀行団が債務放棄に応じることが条件になる。東京中央銀行悪者論に世論が傾く中、銀行の合同報告会は来週金曜日と告げられた。




 与信額の少ないほかの銀行は金融庁とのトラブル回避をしたいのと損失ダメージが割合少ないため債権放棄に傾いているとの情報が入っている。半沢は東京中央銀行の利益を最大限可能なのはと再検討をおこなった。そこで出した結論は「全面拒否」だった。その稟議書は役員会に回された。
(次号に続く)


(余談)
 週刊ダイヤモンドにはこの連載と同じく始まっている落合博満(中日GM)氏の話が連載されている(今週#29)。小説を読ませていただいた後続いて読まさせてもらっている。実に深い話が毎週毎週綴られ落合氏の人となりが伝わってくる。
 人生、つまり生き方考え方は大変参考になるもので、特に二十代三十代の若い人には人生のサプリメントになるはずである。書店に出向いて週刊ダイヤモンドを手に取った際には是非読まれることをお薦めしたい。毎週たったにページですので5分もかかりません。