「水色の娼婦」  西木正明

2013年9月10日 第1刷発行
発行所  文藝春秋

著者 1940年秋田県生まれ。88年「凍れる瞳」「端島の女」で直木賞を受賞。


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 エヴァ・ロドリゲスは日本人を母に持つアルゼンチン生まれのタンゴダンサー。しばらくしてベルリンに居を移した。そこで、日本人の商社マン吉川と知り合いになる。吉川は実は軍の予備兵で第1次大戦から第2次大戦まで多重スパイとしてベルリンを拠点に活動していた。
 エヴァがオーナー兼経営者として営業しているタンゴバー「エル・フール」の客は重要人物も多く、吉川の情報収集の拠点にもなっていた。そんなことを知らずにエヴァは一途に吉川を愛した。
 物語は年老いたエヴァにインタヴューする回顧風に進行する。