「検事の死命」  柚月裕子

2013年9月19日 第1刷発行
発行所 株式会社宝島社

著者 1968年岩手県生まれ。
「臨床真理」で第7回このミステリーがすごい大賞を受賞。

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佐方検事の4編から構成されている。
 
第1編『心を掬う』
 郵便物紛失事件の謎に迫る佐方が、手紙に託された老夫婦の心を救う。

第2編『業をおろす』
 本編は「検事の本懐」(宝島社発行)収録「本懐を知る」の完結編にあたる。佐方の父陽世が恩人の会社の資金を横領したとして実刑判決を受け、獄中死を遂げた。弁護士であれば実刑を免れる策も承知していたはずなのにずっと佐方は父の思いが謎として持っていた。本編で謎の核心が明かされる。感動の完結編。

第3章『死を賭ける』(死命)刑事部
 イベント会場に向かう超満員の電車で発生した痴漢事件。被害者は万引き等の前科がある高校生。被疑者は県内でも名門の中年男。この縁戚には元検事総長で国会議員の後援会長を務める人物もいる。
 大物国会議員、地検トップを敵に回して、検事の矜持を押し通す。

第4章『死命を決する』(死命)公判部編
 置換被疑者側は大物弁護士を使い総力を挙げて弁護してきた。警察、検察には元検事総長の国会議員から圧力をかけてきた。佐方は絶対負けられない崖っぷちに立たされた。そして裁判の、火ぶたが切られた。結果は・・・・
 半沢直樹的爽快な結末が訪れる。

 この小説、半端じゃなく大変面白い。星をつけるなら五つ星。

このシリーズの「最後の証人」も面白いですよ。