「余命1年のスタリオン」 石田衣良

2013年5月15日 第1刷発行
発行所  (株)文芸社

著者1960年東京生まれ

2003年「4TEEN」で第129回直木賞を受賞。


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本書は543ページに及ぶ長編大作。
 
 芸能界への登竜門「スタリオンボーイグランプリ」でデビューし、「種馬王子」の異名を持つ小早川当馬。俳優として着実にキャリアも積み、プライベートも順調だったが、体調不良をきっかけに訪れた病院で、癌の宣告を受け余命1年と診断された。

 「種馬王子」と揶揄されるように女性関係は華やかだったが、結婚する相手はいなかった。小早川についた新人のマネイジャーあかねちゃんは、見た目も悪いが当馬は心が惹かれていった。あかねは余命1年の小早川の子どもを産みたいと告白する。とまどう小早川はあかねと結婚することを決意し、遺作となる映画製作に心血を注ぐ。
 やがて宣告された1年を過ぎたころ映画は完成した。何とか後3カ月自分の子どもの姿が見たい。癌と戦いながら、やがて治療も止め「余命」と戦うのではなく「余生」を過ごしたいとあかねに伝える。
 そしてついに、あかねと小早川の長男の出生の時が訪れた。