「空飛ぶ広報室」  有川浩

2012年7月25日 第1刷発行
発行所 幻冬舎

著者 高知県出身
塩の街』で電撃小説大賞を受賞。


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 著者有川浩さんの作品の映像化がここ最近めざましい。その件については最新号『ダ・ヴィンチ』に紹介されているので読書好きの方はほとんどの方が読んでおられると思うので書くまでのことではない。

 個人的には残念ながら映画もテレビも見たことはないが・・・

 空井大祐は小さいときからブルーインパルスにあこがれ、念願のパイロットになりブルーインパルスの隊員の内示をもらっていたが、ある日町を歩いていたときに交通事故に遭遇し足を怪我してしまった。通常の運動やスポーツができるほど回復したのだが激しいGのかかる戦闘機パイロットとしては復帰できなくなってしまった。あこがれのブルーインパルスの隊員の夢も消えてしまった。失意の空井の新たな配属先は航空幕僚監部広報室。
 広報室にはミーハー室長の鷺坂一佐、残念美人柚木三佐、ベテラン広報官比嘉一曹などのメンバーが

 帝都テレビの美人ディレクター稲葉リカが広報室にやってきた。空井が稲葉の世話をすることになる。稲葉も生きがいにしていた記者からディレクターに異動させられたのだ。

 国民に十分認知されていない自衛隊をいかに広報していくか、広報官の活躍物語。


 この作品を執筆するに当たり著者有川さんに自衛隊を作品にしませんかと売り込んできたのは現職の鷺坂一佐(仮)だそうです。デェフェンスの自衛隊が攻めの広報を仕掛けただなんて素晴らしいことではありませんか、更にテレビ化なんて鷺坂一佐(仮)の戦略ズバリ的中です。役所の広報はどうしても守りで面白みがないものばかりで本当の広報の目的が達成されているのだろうかと思われるものばかり。そういう観点から読んでもおもしろく読めます。