「マタニティ・グレイ」 石田衣良

2013年2月28日 初版発行
角川書店

著者 1960年東京都生まれ。

初出
小説 野性時代 2010年3月号~2011年1月号
        2011年3月号~2012年8月号
        2012年10月号、12月号
   単行本化にあたって「GROWING UP WITH A BABY」より改題し加筆修正された。


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女性誌を出版している出版社に勤める千花子は仕事も順調であり、子どもをつくらず、づっとこのまま仕事を続けたいと考えている。上司の副編集長も同じような考えだと思っていて、憧れていた。千花子自体子どもが好きではなくそれでいいと思っていた。
 
 担当している雑誌の特集として妊婦を扱うことに決まった。ジンクスでは妊娠を特集すると編集の誰かが一人実際に妊娠してしまうといううことがあるらしい・・

 千花子の体に異変が起こり、婦人科で診察してみると妊娠第7週だということが分かった。千花子の勤める弱小出版社は先進的な記事で人気を博しているにもかかわらず、実は事実上産前産後、育児休暇制度すらなかった。妊娠したらみんな退職を余儀なくされていた。
千花子は産むことをたむらうが編集室の同僚の応援もあり、出産を決意する。そして思わぬことに妊娠から出産までの個人署名のコラムを任され、それが読者に大好評になった。


 一人の女性の妊娠から出産までの悩みと喜びを描いている。