「神様のカルテ3」 夏川草介

2012年8月13日初版第1刷発行
発行所 (株)小学館
著者
 1978年大阪府生まれ、信州大学医学部卒、現在長野県内の病院にて地域医療に従事。
 2009年「神様のカルテ」で第10回小学館文庫小説賞を受賞。同作品は2010年本屋大賞第2位となる。


イメージ 1





 主人公の内科医師、栗原一止(いちと)は松本の市街地にある本庄病院に勤務している。話は5話になっていて、一止が地域の基幹病院での奮闘ぶりを描いている。
 海堂さんの小説は問題提起型小説とすると、これは実体験告白型と思う。
主人公が住まうアパート「御嶽荘」のユニークな住人とのふれあい、愛妻ハルさん(榛名)との語らいはほん和かとして、妻の理想像を描いている。

この小説の中で記憶に残る言葉として、たぶん作家自身が言いたかったことだろう。
同病院に赴任してきた美人女医小幡先生が言った言葉
「私たちにはね、常に最新、最高の医療を提供する義務がある・・・」
「医者っていう仕事はね、無知であることがすなわち悪なの。私はそういう覚悟で医者をやっているのよ。」
 何故こんな発言になるのか、この小説を手にとってください。

内科部長が「続けることがだいじ、ずっと病院で働くことが大事なんだ」

今更ながら、地域基幹病院で働く医師の大変さ、そして大学病院との連携の必要性を感じました。