「キミは知らない」 大崎 梢

2011年5月25日 第1刷発行
(株)幻冬舎

著者 大崎 梢 東京生まれ

初出 「ポンツーン」2010年1月号~12月号に連載
   加筆・訂正の上単行本化


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 高二の水島悠奈は5歳の時に歴史学者であった父を亡くした。

 学校の図書館に父の書いた本があった。ある日非常勤講師の津田が父の本を読んでいた。
父の残したメモを津田に貸した翌日、津田は突然学校をやめた。悠奈は津田に会いたくて津田の住んでいる街を訪れる。その町で悠奈は次から次と事件に巻き込まれることになるのだ。

父が火事で亡くなった現場を見に行ったとき3人の黒ずくめの男たちに拉致されてしまう。そして、大きな屋敷に連れて行かれた。そこでは非常に厚遇され、お嬢様として扱われたうえに、お屋敷の主からひ孫だと突然言われてしまう。
 父の死は本当に事故だったのか。父と一緒に亡くなったのは津田家の若い娘だった。父の死に疑問を持た悠奈は神の住むところ日次村に行くことにした。

 次つぎと巻き込まれる事件は出自に関してなのか。でも悠奈には覚えがない。ついには悠奈の出生の秘密が明らかになる訳であるが、ドラマチックな展開がワクワクさせる。
 今年読んだ本の中でも一押しの一冊である。