「境遇(絵本付特別版)」 湊 かなえ
デビュー作の絵本がベストセラーになった県会議員を夫に持つ高倉陽子と毎朝新聞記者の晴美は親友同士。互いに親に捨てられ児童施設で生活していたことで親しくなった。
ある日、陽子の一人息子が誘拐されてしまった。届いた脅迫状には「真実を公表しなければ息子の命がない。」公表する真実とは何か?夫の政治献金問題なのか、それとも陽子自身の出生のこと、児童施設育ちのことなのか?
晴美に36年前の殺人事件を調べてもらって、自分の親は事件の加害者ではないかと疑い始めた。自分でも調べて確信していく。次に届いた脅迫状には、陽子がゲストで出演するテレビ番組の中で真実を話せと指示してきた。
テレビ番組の中で陽子は自分の出生について話した。自分の親は殺人者であると。
テレビを見ていた加害者の妻は、陽子に自分の子ではない。絵本を読んで誤解していた。晴美が自分の子だと告白する。
陽子の母親だと思っていた人が自分の母だった晴美は愕然とするが、陽子と晴美の友情には何の差しさわりも生ずることはなかった。
陽子の母親だと思っていた人が自分の母だった晴美は愕然とするが、陽子と晴美の友情には何の差しさわりも生ずることはなかった。
絵本付特別版にはこの小説の中心的役割を果たす絵本「あおぞらリボン」が付録として付いている。この小説を読もうとしておられる方は是非、絵本を読んでから本編を読まれることをお勧めします。