「イニシエーション・ラブ」  乾くるみ

2004年4月5日 初版
発行所 原書房
著者 乾くるみ
 1963年静岡県生まれ
 静岡大学理学部数学科



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この本は原書房のミステリーリーグと表示され
恋愛小説ぽいがミステリー小説なのである。

本書はサイドAとサイドBに分けられている。
これはあとでわかることであるがAとBは表裏の関係となる。

舞台は80年代。
Aは静岡大学の数学科4年の鈴木夕樹(タックん)と歯科技工士の繭子(マユ)との出会いから付き合うことになる。
Bは繭子(マユ)との付き合いを優先して内定した東京の大企業に行かず静岡の会社に勤めたのだが
東京に派遣になり遠距離恋愛になってしまうタックん。

これだけだとただの恋愛小説であるが乾くるみはミステリー作家。

人物に対するトリック。時間のトリック。が隠されている。

読み終えてから

謎解き「イニシエーション・ラブ」を読むと納得する。
舞台は1987年(1986年参考)であるからもう25年も前の時代。
時間のトリックのなぞ解きは時系列を把握する必要が生ずる。
記憶が定かでなくなった今ではこのHPは
さすがと言わざるを得ない。

乾ミステリーフアン必携でしょう。


この小説も文庫本化されて表紙も単行本とデザインがかえられているが
単行本の表紙は
すでに乾ミステリーのなぞ解きが秘められている。
また各章のタイトルさえも乾ミステリーなのである。