死ねばいいのに 京極夏彦

出版社 講談社
2010年5月15日発行

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「死んだ女ののことを教えてくれないか」と訪ねまわる男がいる。
その男ケンヤはたった4回しか死んだ女とは会ったことがないという。
なのに何故訪ねまわるのか。
彼氏だったというヤクザに聞いても女のことが解らない。
援交していた会社員に聞いても解らない。
職場の上司、隣室の女、母親、刑事に聞いても
誰も教えてくれない。知らない。解っていない。
何もわからない。
聞きまわった者たちは皆揃って不満を言う。
そうだったら、「死ねばいいのに」
しかし、死にたくはないという。

死んだ女は幸せだが「死にたい」と言った。
死んだ女のことが知りたい。