リセット 垣谷美雨

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リセット 垣谷美雨
1959年生(49歳) 明大仏文学科卒
2005年「竜巻ガール」で第27回小説推理新人賞を受賞
2008年2月20日第1刷発行 双葉社

東京に住んでいる47歳になる3人の兵庫県の田舎町出身の高校の同級生は、
ある日デパートの兵庫県物産展で偶然出会った。

香山知子は高校時代の同級生と結婚し専業主婦。
黒川薫は独身でソフトウエアの会社に勤めるキャリアウーマン。
赤坂晴海は高校生のとき、妻子ある出稼ぎ労働者に騙されて妊娠し高校を中退。東京に出て水商売やっていたが現在は風呂屋でバイトしている。

3人とも、もしも人生をやり直せたらと思っている。
何十年ぶりかに会った3人はどこかでお茶でもといった気楽さで居酒屋「遠来の客」に行った。
そこで不思議なことが起こった。30年前の高校3年生のときまでタイムスリップしたのである。

知子は女優の道に、薫はタイムスリップする前に知子の夫であった同級生と結婚し、スーパーの店長に、晴美も同級生の医者と結婚した。 
3人とも他人の人生を羨んで2度目の人生を過ごしたが結局3人共に元に戻りたくてしょうがなくなってしまう。

「遠来の客」が開店する日が待ち遠しい日が続く。そして「遠来の客」が開店し、2度目の人生に終止符を打ち、最初の人生にリセットする。
3人は最初の人生に戻りそれぞれが前向きに生きることになって、それぞれの人生が明るく開けていく。


男社会に立ち向かう3人の人生を描いているが、女性以上に男に考えさせられる作品である。