憑神(tukigami) 浅田次郎

憑神 浅田次郎著の小説です。
来月には映画が公開されます。

先日購入しまして、一気に読み終えました。
面白い。

幕末の江戸。貧乏御家人の別所彦四郎という文武に秀でながら
出世をしくじった次男坊の御家人を主人公に
 
酒に酔ったある夜、土手を滑った拍子に小さな祠に出会った。
同じ御徒士組出身でオランダ留学し前途洋々の
榎本釜次郎が神頼みをして願いがかなったとの噂

彦四郎もつい祠に手を合わせってお願いをした。
神は神でも貧乏神、厄病神、死神の三巡神社であった。
逃れようもなく神にとり憑かれた主人公の物語である。

この作品は思わぬ損とか、意外な幸運という、運不運のものさしと暮らすことの
愚かさを語っている。

主人公の毅然とした態度にこれらの取憑いた神々がナスすべもなくなってしまうという。