「下町ロケット ヤタガラス」池井戸潤
2018年10月3日初版第1刷発行
発行所 小学館
著者 1963年岐阜県生まれ。
池井戸ワールドそのものの物語。いわゆる正義は勝つ。
打ち上げたロケットは誤差数センチというGPS、高性能を誇る。この高性能なGPSを使った無人操作の農業機械の開発を巡る戦い。中小企業連合体大企業の帝国重工という構図と帝国重工内主導権争い。
帝国重工内では出世のためには方法を選ばない、また下請けを侮蔑する選民思想の役員、対する理想に燃える部長。片やもう一つの対立構図は中小企業連合のリーダーは選民思想の役員に対する憎しみで帝国重工に立ち向かう。
くしくも帝国重工側に組せられた佃製作所は帝国重工内で理想に向かって事業を展開しようとする財前部長と事業を進める。紆余曲折の中で「正義は勝つ」ことになる。
つまり帝国重工内では選民思想の役員の失脚と佃製作所の農業機械への理想が成功する。