電力だけではないブラックアウト、今後は日本の政治と経済のブラックアウトが心配

北海道で今回起きた地震で象徴的な事象は電力のブラックアウトである。
原因は苫東火力発電所への発電「一極集中」である。
一極集中はある意味効率が良いわけではあるが、何か事が起こった場合に「危うい」面を抱えていたことが表面化した。

 これは、今後の日本への提言ではなかろうか。政治、経済、人口と特に最近東京への一極集中が強まってきた。従前はそれでも大阪、名古屋への分散集中がなされていたが、今は東京のみになっている。
 東京に未曽有の災害が起きた時、日本の政治、経済の「ブラックアウト」が起きないか心配である。
 今から20年ぐらい前までは、政治の一極集中を解消するために「遷都」が叫ばれあるところまで計画が進捗していたが、知らず知らず「遷都」の言葉さえ聞こえなくなってしまった。今回の地震を教訓に政治のブラックアウトを防ぐ方策を今一度検討する時期ではないか。

 経済の一極集中も「遷都」により若干解消になる可能性もあるが、リニア新幹線も含め高速鉄道が全国を網羅し、100以上の空港が国内にある日本、通信手段も格段に進歩した今企業活動も東京に集中しているリスクを今一度検討する時期ではなかろうか。
 かってトヨタは生産の効率化を重点に工場を豊田挙母を中心とした東三河に集中させていたが、今は九州、東北、北海道と分散している。効率は下がったし、東北や熊本で地震が起きた場合部品の供給の問題は起きたがトヨタとしてのブラックアウトは避けることができた。

一極集中のメリットとリスクを今一度考えるための今回の北海道の地震災害ではなかったか。