「罪の声」塩田武士

2016年8月2日第1刷発行
発行所 講談社
著者 1979年兵庫県生まれ。


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 未解決事件で私たちに印象に残っているのは「三億円事件」と「グリコ・森永事件」。
 この小説は、「グリコ・森永事件」をテーマに展開する。京都で注文紳士服店を経営する曽根俊也は、父の遺品にカセットテープと黒川のノートを発見する。テープには自分の幼い声が録音されていた。録音内容は事件の脅迫に使われた内容だった。自分が事件とどのようにかかわっていたのか俊也は追求していくことに・・・。
 同じころ大日新聞ではこの未解決事件をテーマに取材を開始していた。事件の背景には犯人の家族が存在している。家族たちは事件後どのような運命を辿っやのか、やがて事件の大まかな事実が明らかになっていく。犯人グループが明らかになり、俊也の叔父が事件にかかわったことも、そしてテープに録音したのは意外なことに母親だったのだ。