「大岩壁」 笹本稜平

2016年5月25日第1刷発行
発行所 文藝春秋
著者 1951年千葉県生まれ。

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 かって登山、北アルプスなどどの山は若者だけしかいなかった時代。松本行きの千曲号など夜行急行が運行されていた頃。
 松本電鉄新島々旧駅がまだあったころ。、大学若しくは高校山岳部が盛況だった時代に山へのあこがれ郷愁を新田次郎の山岳小説を読みふけった世代の著者であろう。
 著者も「春を背負って」「その峰の彼方」「分水嶺」と作品を出している。新しい世代の「新田次郎」になれるであろうか。


 5年前ナンガ・バルバットの登山中パーティーを組んでいた友人を亡くした。再び亡くした友人の遺志を継いで挑戦することになった。挑戦するのはその時の2人で大岩壁へ「冬期初登頂」を目指すことになった。その計画に5年前亡くした友人の弟が同行させてくれと言ってきた。弟の評判はすこぶる悪い。
 結果的に同じパーティーを組むことになるのだが・・・。やはり身勝手な行動が登山行動に重大な影響をもたらした。
 
 この野郎、この野郎と思いながら長編小説を読み終えてしまった。