「私はテレビに出たかった」 松尾スズキ

2014年12月30日第1刷発行
発行所 朝日新聞出版社
著者 1962年福岡県生まれ


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 巨大外食チェーン店「肉弁慶グループ」の人事部に勤める倉本恭一は自社CMに出ることになったが、撮影当日の通勤電車が人身事故に遭って撮影に間に合わなかった。恭一は高校時代からいざという時必ずと言っていいほどアクシデントにあって思いがかなわない。
 数日後、テレビの街頭インタビューバライテイー番組のディレクターに見初められ、いざ撮影という時にも撮影キャラが出ずに出演できないことになる。
 恭一は猛烈にテレビに出たい気持ちがふくらみエキストラでも出たいとプロダクションに入った。ある時高校時代の同級生で恋い焦がれた奈津子と会った。テレビが自宅にない恭一は知らなかったが奈津子はそれなりのスターだった。
 
 テレビの収録中奈津子の相手役が来ないので、恭一は代役でディープなキスシーンを撮ることになった。撮影が終わっても二人は離れずいつまでも続けていた。