連載小説「陸王」 池井戸潤

小説すばる 2014年11月号


 埼玉中央銀行の大山がタチバナラッセルからアッパー素材の供給がストップする虞があると宮沢を訪ねてきた。
 大山によるとタチバナラッセルはアトランティスから独占供給の条件で大量の契約受注のオファーを受けているとのことである。この契約がまとまると宮沢のところの在庫がなくなる夏までには新たな供給先を見つけなければ陸王の生産ができなくなってしまう。アトランティス陸王つぶしにタチバナラッセルを引き込む作戦に出てきたのである。
 宮沢は新たな供給先を探すのだが、難航し思うに任せない日々が続いた。そのうえ、更に悪いことにシルクレィの製造装置までが・・・・。