連載小説 銀翼のイカロス(第40回) 池井戸潤

2014年3月1日号 週刊ダイヤモンド
第6章イカロスの末裔

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(前号)
 帝国航空の山久によれば、たすくふぉーすのこんしゅうのきんようびにでいりのきしゃをあつめ、そこに中野渡頭取も来ることになっているという。それを知った半沢は、営業第二部長の内藤を訪れ、何か聞いていないか尋ねた。

(今号)
 内藤部長によると頭取が野村と会ったらしいという。会った理由についてはわからないという。半沢は内藤に野村が箕田への融資のことを知って、頭取に債権放棄を迫ったのではないかとの考えを話す。内藤は「わかった」という一言だけであった。
 内藤は、頭取を訪ね真偽のほどを質した。頭取は、問題が与信判断の範疇を超えている。この件については、私に預けてくれと内藤に言う。内藤は頭取の苦悩については見当がついた。そして我々も一緒に闘わして欲しいといって、頭取室を辞去した。