都心回帰とコンパクトシティ

高度経済成長とともにベビーブーマー団塊という言葉は嫌い)世代が
大量に大学に進学しだした昭和40年代大学はこぞって
緑あふれる環境を求め郊外に移って行った。
 昭和50年、60年代以降大型ショッピングセンターが郊外に建設され
いわゆる駅前商店街は衰退の一途をたどってきた。

約半世紀たった少子高齢化社会に突入した現在、大学はこぞって都心回帰している。
都心に校舎を戻して学生の確保を狙っている。
地方都市に都心回帰という言葉は相応しくないと思うが、いわゆるコンパクトシティ
行政が主導しているわけではないが
高齢者と低年齢層は車がなければ郊外の店舗には行けなかった、その人たちの利便性を考慮して
駅周辺に店舗が戻ってきている。ようやくあらゆる年代の層を購買者として意識してきたのだ。

街の中心部に生活の必要な施設を集まることで、わずかな移動で全ての用事が済んでしまう。こんな便利な時代に行政主導をするまでもなく、経済活動のなかで社会の変革が起きてきた。

大垣は駅北側に巨大な工場跡地が存在して、
まずは巨大な総合病院ができた。現在急性期病院の患者をそれ以外の病院に移そうという
政府の考えからすると今後は患者も増えていくことであろう。
次にできたのが、モール型ショッピングセンター。烈しい大型ショッピングセンター競争の中では
かなり健闘している。駅に直結した天井付連絡通路の利便性の効果が大なのであろう。次に建設中なのが戸建て住宅、駅近ということで低層はもったいないと思ったのだが
名古屋駅から30分という利便性で戸建て住宅が買える、しかも山近くの駅ではなく街の駅近くでということで販売状況は好調という。
 名古屋でも駅近くにビックカメラができているが、ついにヤマダ電機が郊外の店を閉店して駅傍に移転してくるみたいだ、AOKIも郊外から移転、新たに大黒天が進出してくるらしい。ユニクロも郊外から中心に移転してくる。
 
 高齢者、高校生以下の者にとっては駅近くは利便性がよい。特に市外から訪れる者にとっては今後ますます鉄道の重要性は増すであろう。近年赤字経営ということで鉄道の廃線をするところがあるが、富山の市電のように低床式電車を取り入れたり、駅を増やすことで駅間距離を縮め、利用しやすい鉄道に変えていくことが必要であろう。掛け声だけでは利用者は増えない。極端バス停の距離感でよいのではないか。鉄道は無くすのよりも復活させる方が難しい。
岐阜市が関市と揖斐川町谷汲へのアクセスを簡単に放棄してしまった。結局、岐阜の町の衰退を進める原因の一つになっているのではないだろうか。大垣は決して岐阜の後を追ってはいけない。鉄道の利便性向上を図って鉄道を存続させることは市外の市民の為ではなく結局大垣市民の利益になるのである。