「三匹のおっさんーふたたび」  有川 浩

2012年3月30日第1刷発行
文藝春秋
有川 浩
 高知県生まれ 2004年、第10回電撃小説大賞<大賞>受賞作『塩の街』」でデビュー。

初出 「三匹のおっさん ふたたび」第1話~第6話
別冊文藝春秋」2011年3月号、5月号、7月号、9月号、2012年1月号、3月号
   bonus track「好きだよと言えずに初恋は、」
野性時代」vol.69(2009年8月号)
 この短編は「植物図鑑」(角川書店)とのクロスオーバー作品として執筆された。


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この作品は「三匹のおっさん」の続編です。
第1作の「三匹のおっさん」ではじーばー世代の3人のおっさん(有村則夫、清田清一、立花重雄)と孫世代の清田祐希、有村早苗が主人公であった。この2作目ではパパママ世代も主人公として登場してきた。6話から構成され

第1話は清田清一の長男の嫁、お嬢様育ちの貴子がパートに出る。パートでの人間関係がこの話の中心。

第2話は書店での少年の万引きの話。立花重雄の馴染みの書店でも万引きが発生する。相談を受けた三匹のおっさん達は万引き少年たちを捕えるが、店主井脇さんが少年たちに与えた罰は書店での手伝い。

第3話はありむらのりおに見合い話が・・・
 受験を控えている娘の早苗は複雑な精神状態になってしまう。

第4話は清田清一の嘱託先アミューズメントパーク「エレクトリック・ゾーン」の駐車場に不法投棄されたごみの問題がおっさん達の解決課題。


「若いもの」のモラルの問題とともに「年配者」のモラル低下にも一石を投じた話になっている。

第5話は町内の皐神社の祭りを復活させようとおっさん達は奮闘する。

第6話は偽三匹のおっさん達が登場する。本家おっさん達と微妙に軋轢を生じながら町内に発生していた放火魔を捕える。

孫世代の祐希と早苗は揃って地元の市立商科大学に合格する。


おまけ?の話
「好きだよと言えずに初恋は、」は父親の仕事で転校を繰り返す富永潤子(小学生)初恋物語。