堂場瞬一の著書は「ヒート」を読んだことがある。このときはスポーツを舞台とするのが得意な小説家だと思ったのだが本書を読んで本格的な
推理小説家だと確信した。
これからも機会があれば読んでみたい作家の一人である。
東京近郊の長浦市で2件の殺人事件が起きた。まず1件目はマンションのベランダに少女の凍死遺体、室内にはめった刺しの男の死体、浴室には女の脱いだ衣服があり、部屋の主であるシングルマザーの井沢真菜が行くえ不明。
2件目は
振り込め詐欺の
出し子と内偵されていた大学生が刺殺されていた。容疑者は詐欺グループのリーダー日向。
二人の容疑者は意外な接点があった。東北地方のラーメンで町おこしをしているうら寂しい町の高校の同級生であった。捜査一課の沢村と逃亡を企てる二人の動向を描いた犯罪小説。