「カンタ」 石田衣良

2011年9月30日　第1刷発行
発行所　（株）文芸春秋
著者　石田衣良
1960年東京生まれ
2003年「４TEEN」で直木賞を受賞

初出　「別冊　文芸春秋」2007年11月号から2011年5月号

過去に読んだ石田衣良作品
「東京DOLL]
「1ポンドの悲しみ」
「美丘」
「Sex」

友情をテーマにした小説である。
ともに母子家庭であるカンタ（土井汗多）と耀司（在原耀司）は幼馴染で兄弟のように育った。カンタは発達障害で他人の感情を読むことができない。理数系には異常に特異な半面、文章を理解するようなことは苦手である。同級生や教師たちには理解されず、いじめられたり、好きなことしかやらない気まぐれ者という風に見られている。カンタを理解してくれるのは耀司だけである。
カンタの母は障害が原因で社会に適合できない息子案じながら白血病で亡くなってしまう。
母は亡くなる直前耀司にカンタの将来のことを依頼、カンタには耀司とともに生きるよう諭した。

優秀な耀司と数字に強いカンタは携帯ゲーム会社「ロケットパーク」を設立し瞬く間に時代の寵児になる。しかし、若い二人はマネーゲームに巻き込まれてしまう、そして、瞬く間に全てを失うことになる。