「てふてふ荘へようこそ」 乾ルカ

平成23年5月30日初版発行
角川書店

初出
1号室 「野生時代」2009年12月号
2号室 「野生時代」2010年3月号
3号室 「野生時代」2010年6月号
4号室 「野生時代」2010年9月号
5号室 「野生時代」2010年12月号
6号室 「野生時代」2011年3月号
集合室 書き下ろし
エピローグ 書き下ろし


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ある地方都市の地下鉄駅から
ほど近いところに
てふてふ荘というアパートがある。
玄関、ふろ、トイレは共同
昭和40年まではこんなアパートあったよねというアパート。

家賃は一万三千円。しかも、入居月は無料。
格安のこのアパートには
やっぱり曰くがある。

1号室から6号室まで全室に地縛霊が住んでいる。
おまけに、あとでわかるが大家さんも幽霊だ。

地縛霊はそれぞれが成仏出来ていない。
それぞれの入居者がそれぞれの部屋に住みついている地縛霊と
触れ合うことによって成仏できるのだ
これが難しい。触ろうとしても幽霊だ実態がないから
体は通り抜けてしまう。

幽霊という感情を超えたふれあいがあって
やっと触れ合うことができるのだ。

そして、6人の霊は成仏出来たのだが
さて、大家の成仏は
これがまた難解。

ここからが「書き下ろし」で
著者がこの作品を締めた。

乾ルカこの作者は
最近私の一押しの作家である。