「インターセックス」 帚木蓬生

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インターセックス
帚木 蓬生
発行 集英社
発行年月 2008.8

インターセックス。古くは半陰陽、両性具有と称されたが、
外性器の形成や生殖器、染色体が曖昧で男女の一方に分類できない人々。
広義に見ると100人に1人の出生頻度で出現する。

作者は東大仏文を卒業後九州大学医学部を卒業後医師となる。

冒頭は福島県大野病院事件を想像させ
日本の産婦人科問題を指摘し、このようなことが
裁判化する事になれば、今後産婦人科はもはや
異常分娩は取り扱わなくなると言及している。

インターセックスで生まれた子がある程度の頻度で発生する。
今までは医師も親も男か女に分けようと「処置」ということを
医学的に行ってきたことに対してそれでいいのか
投げかけられている。

また、サスペンス的流れもあり興味深く
読むことができる社会派サスペンス小説である。

是非多くの人に読んでいただき
インターセックスが認知される世の中になることを願うものである。

なお、この物語の中では人間を男女の2分類ではなく5分類としている。