八一の夏 友野康治

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「八一の夏」友野康治
2008年1月15日 第1刷発行
発行所 ポプラ社

作家の友野康治氏は1965年(43歳)神奈川県生まれ
プランナー、音楽プロデューサー、Webプロデューサーなどを経て作家活動に入り
この作品がデビュー作。

最初に読んだ感想です。いやーなかなか感動するいい作品でした。
ここ最近では最もお奨めです。

川原早太は私立の美大を卒業しデザイン会社に就職した。
しかし、任された仕事はスーパーのチラシ。そんなとき、ある偶然で
アニメのヒット作「ペンギンマン」を生み出し生活が一変する。
川原は故郷の広島県呉の中学の同級生で広告会社に勤めている立浪と
会社を創り独立する。会社名は二人のイニシャルをとってK&T。

デザイン会社の社長の青山は川原の独立を「ペンギンマンで勝負するな。人間関係を大切にしろ。」と暖かく送り出す。

飛ぶ鳥の勢いであった川原であったが、次のアニメ作品「ひとりぼっちのブルース」で大失敗をおかす。
それまでは河原たちに媚びていた人たちが手のひらを返すように相手にしてくれなくなる。

そんな時井の頭公園で1人のホームレスと出会う。
「嫌なことがあったら思い出すんだ。あのホームレスよりマシだって」

川原42歳になって、復活の機会をつかむ。
復活の記者会見で
「川原さんは、全然わかっていないですね。」と立浪の部下岩井から言われてしまう。
「映画資金の、7割を立浪さんがあつめたんですよ。」

自分が復活できるまでに自分が知らないところで多くの友人知人たちかかわりのある人たちが
いろんなところで支えてくれたのだ。

「95%は金で、残りの5%は」
この作品のキーワードでもある。