少女七竃と7人の可愛そうな大人  桜庭一樹

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今週読んでいるのは
「少女七竃と7人の可愛そうな大人」 桜庭一樹
 角川書店 平成18年6月30日初版発行
私、川村七竃はたいへん遺憾ながら、美しく生まれてしまった。
男たちなど滅びてしまえ。 
吹け、滅びの風。


母がいんらんだと娘は美しく生まれるものだとばかげた仮説を唱えたのは親友の雪風だが、
しかし遺憾ながらそれは当たらずとも遠からずなのである。
わたしは母のいんらんのせいで非常に肩身の狭い少女時代を余儀なくされている。
男たちはわたしの顔を、からだをじろじろと眺めまわす。
母から継がれた何かがしらず流れ出しているのを感じて、
わたしは身をすくめる。
おとなの男たちからじろじろと眺めまわされるたびに
わたしは怒りをかんじる。
母に。世界に。
男たちなど滅びてしまえ。吹け、滅びの風。

これは帯の文である。ひじょうに衝撃を受けた。

序章は「辻斬りのように」ではじまる。
主人公七竃の母川村優奈
小学校の教員をしていた25歳のときの心の動きからが

第1話は 遺憾ながら
ということで七竃からの目線で

第2話は犬です
ということで警察犬であったビショップが川村家に迎えられる。
ビショップからの目線で文が

第3話は朝は戦場
ということで七竃の友人雪風の母 桂多岐からの目線で文が

第4話は冬は白く
ということでここは再び七竃の目線で

第5話は機関銃のように黒々と
ということで雪風からの目線で

第6話は死んでもゆるせない
ということで再びビショップの目線で書かれています。

とちゅうですがここまで
今までに読んだことのない文章構成
非常に面白さを感じて読み続けています。