「明日の僕に風が吹く」乾ルカ
2019年9月30日 初版発行
発行所 KADOKAWA
著者 1970年北海道生まれ
有人は旅行した時、機上で命を救った叔父叔父にあこがれて医師を目指していたが、学校でアレルギー発作を起こした転校生を助けようと失敗してから引きこもりになってしまう。憧れの叔父は北海道の離島で診療所の医師をしている。叔父のいる離島の高校に来ないかと誘われて暮らすことになる。叔父は島民に信頼され尊敬されていたが突然病気で亡くなってしまう。有人は島で試練を乗り越え再び医師を目指すまでの生活を描いている感動の物語。
「下町ロケット ヤタガラス」池井戸潤
2018年10月3日初版第1刷発行
発行所 小学館
著者 1963年岐阜県生まれ。
池井戸ワールドそのものの物語。いわゆる正義は勝つ。
打ち上げたロケットは誤差数センチというGPS、高性能を誇る。この高性能なGPSを使った無人操作の農業機械の開発を巡る戦い。中小企業連合体大企業の帝国重工という構図と帝国重工内主導権争い。
帝国重工内では出世のためには方法を選ばない、また下請けを侮蔑する選民思想の役員、対する理想に燃える部長。片やもう一つの対立構図は中小企業連合のリーダーは選民思想の役員に対する憎しみで帝国重工に立ち向かう。
くしくも帝国重工側に組せられた佃製作所は帝国重工内で理想に向かって事業を展開しようとする財前部長と事業を進める。紆余曲折の中で「正義は勝つ」ことになる。
つまり帝国重工内では選民思想の役員の失脚と佃製作所の農業機械への理想が成功する。
マラソン札幌開催
自分は男子マラソン国立競技場に当選しているが、基本的には賛成である。
「選手ファースト」に立場当然であろう、近年の夏の暑さは選手にとっても沿道で応援する市民にとっても過酷である。当選した権利はなくなっても多くの選手がより良い条件で競ってほしいものである。札幌でも暑い時があるという声があるが少なくとも東京よりはマシである。
あるテレビの番組でオリンピックの東京誘致のアピールの文言の中で、東京のこの時期は温暖であるとの記載があったそうである。7月の東京の気候は決して温暖といえる気候ではない。64年のオリンピックは10月の開催である。7月の開催時期は欧米の都合ということらしいが4年に1度の開催は開催国の一番気候の良い時期に合わすことができないものか。
東京オリンピックといえども今回決して東京都の(23区)内だけではない。もはや日本オリンピックといっても差し支えない。多くの国費も支出するわけであるし、サッカー、ラクビーのWCよろしく国内全域で開催すればよい。異議を唱える人は少ないはず。かえって満杯でこの時期高額に値上げした都内宿泊施設の確保に四苦八苦せずにすむ。インバウンドの人のみならず国民の宿泊難民も防ぐことができる。
「コイコワレ」 乾ルカ
2019年6月10日 初版発行
発行所 中央公論社
著者 1970年北海道生まれ。
太平洋戦争末期の日本東京に住む小学校6年生清子が疎開したところで出会ったリツ。
二人はどうしても相いれない。二人は「海」と「山」の関係。どうしても相いれない二人であったがやがて二人の間には温かい感情が芽生えてくる。
この作品は中央公論社が文芸誌「小説BOC]創刊にあたり8組の作家によって紡れた「2019年、螺旋プロジェクト」の一作です。このプロジェクトは9名の作家陣があるルールの下古代から未来までの日本を舞台に、二つの一族が対立した歴史を描いた競作企画です。
私はまだこの作品を含めて3作しか読んでいません。
昭和後期 「シーソーモンスター」伊坂幸太郎
近未来 「スピンモンスター」 伊坂幸太郎
昭和前期 「コイコワレ」 乾ルカ