「怪盗探偵山猫 深紅の虎」 神永学

2019年9月27日 初版発行

発行 KADOKAWA

著者 1974年山梨県生まれ

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この小説は山猫シリーズ物で本作がシリーズ完結編ということらしい。

山猫はいわゆる義賊で悪辣な者から金を奪い取る窃盗でモットーは「金は盗るが命は盗らない」

 深紅の虎とは中国マフィアで山猫とは幼い時からの親友であったが生き方で袂を分かち、一方的に深紅の虎から命を狙われている。暴力的な深紅の虎と知能的な山猫の戦いはとうとう終戦した。

「愛と追憶の泥濘」 坂井希久子

2019年7月25日  第1刷発行

発行所  幻冬舎

著者  1977年和歌山県生まれ。42歳

 

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学校図書館司書の莉歩は学校で入りの教育関係業者営業マンの博之と恋愛に陥ったが悩みがあった。彼はED。何とか直そうとしようとするが彼には小学校時代の悲惨な過去があった。高学歴見た目も良く高収入の博之と何としても結婚したい莉歩と本当は莉歩に魅力を感じていないが結婚を求めている博之。二人の結婚は成立するのか40歳を過ぎた著者が描いた物語。

「明日の僕に風が吹く」乾ルカ

2019年9月30日 初版発行

発行所 KADOKAWA

著者  1970年北海道生まれ

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有人は旅行した時、機上で命を救った叔父叔父にあこがれて医師を目指していたが、学校でアレルギー発作を起こした転校生を助けようと失敗してから引きこもりになってしまう。憧れの叔父は北海道の離島で診療所の医師をしている。叔父のいる離島の高校に来ないかと誘われて暮らすことになる。叔父は島民に信頼され尊敬されていたが突然病気で亡くなってしまう。有人は島で試練を乗り越え再び医師を目指すまでの生活を描いている感動の物語。

「下町ロケット ヤタガラス」池井戸潤

2018年10月3日初版第1刷発行

発行所   小学館

著者  1963年岐阜県生まれ。

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池井戸ワールドそのものの物語。いわゆる正義は勝つ。

打ち上げたロケットは誤差数センチというGPS、高性能を誇る。この高性能なGPSを使った無人操作の農業機械の開発を巡る戦い。中小企業連合体大企業の帝国重工という構図と帝国重工内主導権争い。

帝国重工内では出世のためには方法を選ばない、また下請けを侮蔑する選民思想の役員、対する理想に燃える部長。片やもう一つの対立構図は中小企業連合のリーダーは選民思想の役員に対する憎しみで帝国重工に立ち向かう。

 くしくも帝国重工側に組せられた佃製作所は帝国重工内で理想に向かって事業を展開しようとする財前部長と事業を進める。紆余曲折の中で「正義は勝つ」ことになる。

 つまり帝国重工内では選民思想の役員の失脚と佃製作所の農業機械への理想が成功する。

 

マラソン札幌開催

IOCからマラソンの札幌への変更提案があった。

自分は男子マラソン国立競技場に当選しているが、基本的には賛成である。

「選手ファースト」に立場当然であろう、近年の夏の暑さは選手にとっても沿道で応援する市民にとっても過酷である。当選した権利はなくなっても多くの選手がより良い条件で競ってほしいものである。札幌でも暑い時があるという声があるが少なくとも東京よりはマシである。

 あるテレビの番組でオリンピックの東京誘致のアピールの文言の中で、東京のこの時期は温暖であるとの記載があったそうである。7月の東京の気候は決して温暖といえる気候ではない。64年のオリンピックは10月の開催である。7月の開催時期は欧米の都合ということらしいが4年に1度の開催は開催国の一番気候の良い時期に合わすことができないものか。

 東京オリンピックといえども今回決して東京都の(23区)内だけではない。もはや日本オリンピックといっても差し支えない。多くの国費も支出するわけであるし、サッカー、ラクビーのWCよろしく国内全域で開催すればよい。異議を唱える人は少ないはず。かえって満杯でこの時期高額に値上げした都内宿泊施設の確保に四苦八苦せずにすむ。インバウンドの人のみならず国民の宿泊難民も防ぐことができる。

 

「蟻の菜園 アントガーデン」 柚月裕子

2014年8月15日 第1刷発行

発行所     宝島社

著者    1968年岩手県生まれ。

 

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婚活サイトを利用した連続殺人事件。巷でこんな事件があったような。この小説では犯人の女は二人の姉妹が絡んでくる。その背景には30年前に福井で起きた児童虐待による父親殺傷事件。

「コイコワレ」 乾ルカ

2019年6月10日 初版発行

発行所     中央公論社

著者      1970年北海道生まれ。

 

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太平洋戦争末期の日本東京に住む小学校6年生清子が疎開したところで出会ったリツ。

二人はどうしても相いれない。二人は「海」と「山」の関係。どうしても相いれない二人であったがやがて二人の間には温かい感情が芽生えてくる。

 

この作品は中央公論社が文芸誌「小説BOC]創刊にあたり8組の作家によって紡れた「2019年、螺旋プロジェクト」の一作です。このプロジェクトは9名の作家陣があるルールの下古代から未来までの日本を舞台に、二つの一族が対立した歴史を描いた競作企画です。

 私はまだこの作品を含めて3作しか読んでいません。

 昭和後期 「シーソーモンスター」伊坂幸太郎

 近未来  「スピンモンスター」 伊坂幸太郎

 昭和前期 「コイコワレ」    乾ルカ