「その先の道に消える」中村文則
第1刷発行 2018年10月30日
発行所 朝日新聞出版社
著者 愛知県生まれ。
緊縛のエロスと殺人事件のミステリー小説。真犯人は誰なのか緊縛ミステリーは不可解そのもの。犯人にたどり着くもそこには意外な人物が・・・
「逃亡小説集」吉田修一
2019年10月4日 初版発行
発行所 KADOKAWA
著者 長野県生まれ。
この作家の作品を読むのは初めてです。本屋で見ていてそんなに興味はわかなかったんですがとりあえず読んでみようかと
標題にもあるように「逃亡」の4短編集です。
女性教師にあこがれていた元教え子の高校生との恋、二人にしてみれば純愛であるのだがその関係性で未成年をかどわかしたとして二人は沖縄に逃げることになる。
市役所の福祉事務所で生活保護申請に対する申請でもやもや感を残して車で帰る途中一方通行の道を間違って入ってしまったところを警察官に止められたことをきっかけに暴走しだす男。
北海道で郵便局の配達を請け負っていた運送会社の男があおり運転の車から逃れるために郵便配達車とともに消息を絶ってしまう男などの4篇、いずれも何かをきっかけに突然思わぬ行動を始める現代人の病を描いている。
「時空旅行者の砂時計」方丈貴恵(きえ)
2019年10月11日 初版
発行所 東京創元社
著者 1984年兵庫県生まれ。この作品は2019年「第29回鮎川哲也賞」受賞作品。
加茂冬馬32歳は妻伶奈27歳が瀕死の病気でICUに入院している。病気の原因は妻の祖先の呪われた事件に原因があるということで2018年から1960年の事件当日にタイムトラベルする。妻の一族は「死野の惨劇」といわれ殺人事件や土砂崩れによって多くが死んでしまう。一族のほとんどが滅ぼされて行っているのである。
冬馬は土砂崩れが起きるまでのわずかな時間で問題究明と解決を図らなければならない。
sF小説であり推理小説でもある本作品の犯人捜しは終盤まで謎でワクワクドキドキして読むことができた。